RX0 mark2(m2)を2週間近く試したレビューです。
初代RX0やDJI Osmo Pocket、GoPro HERO 7、RX100m5、RX100m6と比較したレビューを書いていきたいと思います。
初代RX0との違い
違いその1:チルト液晶
自撮りがものすごくしやすいです。SONY RX100シリーズと同様、自撮り写真を撮る時に3秒セルフタイマーになってカウントダウンしてくれるので、とりあえずシャッターを押して、手を伸ばしてアングルを探せばいい感じの自撮り写真が撮れます。
動画の自撮りは難しくて、ただでさえギリギリの画角が手ぶれ補正をすると画角が狭くなり、手ぶれ補正の効果もそれほど強くないため、手ぶれ補正をオンにするかどうかを悩むレベルです。
4K動画についても、確認環境にも依存するため、コメントしづらいところがありますが、動画の画質の向上はそれほどとは思えず、結局動画についての私の評価は初代 RX0 とほとんど変わりありません。
違いその2:最短撮影距離
最短撮影距離が20cmになったおかげで、撮影の幅が大きく広がりました。テーブルフォトや、花に寄った撮影など日常使いで写真を撮る上でRX0 m2があれば1台で足りる感じです。
暗所での性能については、初代 RX0 と差は感じられませんでした。
違いその3:オートフォーカス(AF)性能
AFの精度、速度の向上は体感レベルであります。やはりこのAF性能の向上があって、最短撮影距離を縮められたのだと思います。
よりフォーカスされた弱み:コンパクトな液晶
初代 RX0 の時点から、液晶の小ささ、その視認性は厳しかったのですが、RX0 m2になって、上記のように性能がアップした分、液晶に頼る要素が大きくなりました。
自撮りの撮影時には、光の加減によりますが、構図とカウントダウンタイマーを視認するのがギリギリのときも多いですし、最短撮影距離に近いところでのピントの確認もかなりシビアです。
今のところ、微妙なときは複数枚撮って数打てば当たる方式で運用していますが、まずまず満足しています。
それでも、このカメラの特性を理解して運用すれば、素晴らしいカメラだと思いますし、現在、私の中での最高のミニマルスナップシューターはこのカメラになります。
下に2つ並んでいる写真は、上がRX0 m2、下が初代RX0 です。
見た目の違いはわかりにくいですよね。
他のカメラとの違い
GoPro HERO 7との違い
GoPro HERO 7とは用途がはっきり異なると感じています。
今回、RX0 m2 はチルト液晶や4K対応したことにより、Youtuberなど自撮りをメインとする動画撮影をする方に注目されていますが、自撮り動画ならば画角の広く、より手ぶれ補正の優秀なGoProの方が向いていると思います。
(電子手ぶれ補正を行う際に画角が狭くなりますが、より画角の広いGoProの方が電子手ぶれ補正耐性が強いと考えることもできます)
GoProはチルト液晶がありませんので、自撮りの際に画面確認ができませんが、非常に広角なカメラなので、特に液晶を見ることもなく、背景とともに自撮りができます。
自撮り以外の動画でも動画については、次にOsmo Pocketでも述べます。
写真については、より広角な写真を撮りたい状況以外では、RX0 m2が有利でしょう。RX0 m2の方がセンサーサイズが大きく、取り込める光の情報量が違いますし、最終的にRaw現像もできますし、撮れる写真の幅はRX0 m2の方が確実に広いです。
DJI Osmo Pocketとの違い
今までに述べたとおり、私はRX0 m2の手ぶれ補正を評価していませんし、おまけ程度の機能と感じていますが、このOsmo Pocketの手ぶれ補正は圧倒的です。
物理的に揺れを吸収するジンバルがついたOsmo Pocketは、GoPro HERO 7やRX0 m2と違い、圧倒的に自然な動画が撮れます。
動画のフォーカスでOsmo Pocketがジンバルの首振り機能を使って追従してくれますが、RX0 m2はそもそもAF-C(コンティニュアスAF)に対応しておらず、動画を撮影開始した時点からフォーカスが動いてくれません。
また、自撮り動画を撮る際も、ボタンタップの簡単操作で自撮りと正面撮りを切り替えられますし、画角の狭さと剛性(ジンバルの機構がどうしても弱い)を除けば、Osmo Pocketは、コンパクトなカメラの中で安定した動画撮影において右に出るものはないでしょう。
しかし、Osmo Pocketの写真機能はおまけみたいなものなので、RX0 m2とは棲み分けができていて、動画=Osmo Pocket 写真=RX0 m2 ということで、私はこの2台持ち推奨です(笑)
Sony RX100 m5、RX100 m6との違い
RX100 m5とRX100 m6はSonyの誇る人気シリーズ、RX100の最新2機種ですが、RX0 m2も基本的に同じサイズのセンサーを使っているので、同レベルの画質の写真や動画が撮影可能です。
ただ、レンズがRX100シリーズの方が万能です。
RX0 m2は、レンズがF4.0固定の単焦点であったり、上記したような様々な制約があるのに対し、
写真であればRX100 m5のF1.8から始まる明るいズームレンズが圧倒的に優秀ですし、動画であれば、上記したAF-Cの問題はもちろん、高倍率ズームやs-log3など最新の動画設定に対応したRX100 m6が万全の機能を備えています。
『コンパクト』『頑丈』『速射性』この3点でのみRX0 m2は尖っていて、ここに価値を見出さない方は、RX100シリーズを選んだ方が無難だと思います。
まとめ
いろいろとお話してきましたが、RX0 m2はかなり尖ったカメラでして、決して万人受けするカメラではないと思います。
尖っているポイントを理解して、そこを気に入って手に入れると満足できるものだと思いますが、現在の入手困難さは少々度が過ぎているように感じます。
最初のプロモーションがうまく行き過ぎたんでしょうかね。
売れなすぎてディスコンになってしまうのは困るのですが、自分のニーズとアンマッチで購入してしまい、残念だという声を聞くのも寂しい気がします。
(実際、初期購入者の中でもそのような話を聞きますし)
これを読んでくださった方が少しでも自分の好みのカメラを手にできますように。